2025年9月2日
こんにちは。
いつもこのブログに目を留めていただきありがとうございます。
この夏の売場から見えてきたのは、ただ「安い」だけではなく、“どう安く楽しめるか”が大事になっているという兆しです。この記事では、最近話題になった外食やスーパーの動きを紹介しながら、売場づくりのヒントを一緒に考えてみたいと思います。
8月16日の日経新聞には「とんかつ店舗数『松のや』首位浮上 物価高でも年100店・定食690円」という記事が掲載されました。
690円で定食が食べられるという圧倒的なリーズナブルさは、生活者にとって非常に魅力的に映ります。
また、7月10日の日経新聞には「サイゼリヤの株価続伸 低価格戦略が好調、9〜5月期純利益50%増」という報道がありました。
メニューを見れば、ドリアは300円前後、パスタは500円程度。ドリンクバーをつけても1,000円以内でお腹いっぱい食べられるラインナップが支持を集めています。
一方で、同じ金額をコンビニランチに使うと、カルビ弁当620円+おにぎり170円+飲料170円でおよそ1,000円。比較すると「サイゼリヤで食べた方がコスパが良い」と感じる方も多いのではないでしょうか。
インフレが続く中で、時には「自炊よりも外食の方が安いかもしれない」という逆転現象すら起きています。
さらにスーパー各社も低価格戦略を強化しており、イオンではカツ丼250円、たらこごはん298円といったお値打ち惣菜を展開。飲料も80〜100円で買えるため、組み合わせても700円以下というケースがあります。
イオンの今日もちょいめし!の展開から。
イオンの惣菜売り場では今日もちょいめし!をテーマにミニ惣菜(ミニカツどんや鮭ごはん焼たらこごはん、コク深い玉子丼など)を訴求。メインのお惣菜はミニサイズにしながらも他の食材や汁モノと合わせて食べる楽しみを提案。また猛暑の続く夏、イオンのお惣菜でカンタン・おいしくをアピール。
こうした背景を踏まえると、安さだけで勝負するのではなく、「安くても色々楽しめる」というプラスアルファの価値がより重要になっているように感じます。
・生活者は「節約したい」と同時に「小さな楽しみ」も求めている。
・単に安いだけではなく、「どう買えば気分が上がるか」「どう選べば満足できるか」という視点が強まってきた。
・その意味で「節約+体験価値」を同時に提供する売場づくりが鍵になりそうです。
今回の事例から見えてくるのは、「低価格戦略が成果を生みやすい時代」でありつつも、それだけでは差別化が難しいということです。
売場の工夫としては、例えば:
・“安さ+楽しさ”を伝える演出(色々選べる・組み合わせられる・ちょっと贅沢感を添える)。
・節約をポジティブに感じさせる体験型売場(まとめ買いでの達成感、食べ比べの楽しさなど)。
・PBとNBの共存戦略(必需品は低価格で、嗜好品は付加価値で提案する)。
こうした仕掛けが、生活者の共感や選ばれる理由に繋がるように思います。
物価高の今、ただ「安い」だけでは届きにくくなってきました。
むしろ「安くても楽しい」「節約しながら気分が上がる」といった付加価値をどう提供するかが、これからの売場づくりの鍵になりそうです。
私たちも皆さまと一緒に、この“細やかなプラスアルファ”を見つけ、売場の可能性を広げていければと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。