2025年8月27日

涼のシズル感は、涼味だけじゃなくなった

こんにちは。いつもこのブログに目を留めていただきありがとうございます。

この記事では、「涼しさの演出が食品にとどまらず、コスメや衣料品へと広がっている」という動きを取り上げます。猛暑とSNSを背景に広がる“冷感市場”の事例から、売場づくりのヒントを一緒に考えてみたいと思います。

猛暑が変えた「涼」のあり方

この夏は猛暑日が続き、最高気温の更新も話題になりました。

「冷たい飲み物を楽しむ」「冷房の効いた部屋で過ごす」といった従来型の涼しさだけでは対応できない日々が続き、“どこでも涼しく心地よく”を求める声が強まったように感じます。

涼のシズルは食品から非食品へ

これまで涼の演出といえば、氷や冷たい食品・飲料を中心にした「涼味」の提案が主流でした。

ところが最近は、コスメ・雑貨・衣料品といった非食品でも「涼感」を切り口に商品を打ち出す動きが加速しています。

花王ビオレが示した売場づくりのヒント

象徴的なのが、花王ビオレの「冷タオル」。

  • 「-3度が1時間続く!」という明快な訴求
  • 西友やイトーヨーカドーでは、売場に冷蔵庫を設置し、買ったその場ですぐ冷やして使えるように工夫

これまでの「商品説明POP」ではなく、“体感をその場で想像できる演出”を売場に仕込む仕掛けになっていました。

「涼をどう商品化するか」だけでなく「涼をどう売場で表現するか」を示す好例だと思います。

SNSで拡散する冷感コスメ

冷感コスメそのものは昔から存在しましたが、猛暑日の増加とSNSでの発信が相まって、2024年夏から一気にトレンド化したように見えます。

一部をご紹介しますと、

  • DEW「スプラッシュミスト」:顔や体に浴びるように使う大粒ミスト。涼感+潤いを一度に提案。
  • コーセー「メイク キープ ミスト EX+COOL」:崩れ防止とクール感を両立。限定品が毎夏SNSで話題に。
  • 8x4「涼感ネックジェル」:首元にサッと塗る“ひんやりアクセサリー”。持ち歩きたくなる手軽さ。
  • Chacott「フィニッシングUVパウダー クール」:汗に反応して冷感が増す“逆転発想”の設計。
  • マキアージュ「スキンセンサーベース NEO クール」:毛穴レス下地の“涼感版”。ベースメイクを夏仕様に変える提案。

食品売場から飛び出して、美容・日常のあらゆるシーンで“涼のシズル感”が求められているのが今年の特徴です。

衣料品でも「涼」を演出

ユニクロ旗艦店では「涼」のPOPで売場全体を演出。

機能性素材と合わせて「着ることで涼しくなる」という体験を打ち出し、衣料でも涼感をテーマにした売場づくりが進んでいます。

そこから見えてくる兆し

  • 涼感は「一時的な夏の楽しみ」から「長期化する猛暑を乗り切る必需」へ
  • 売場では「安さ」より「体感を変える仕掛け」が価値を生む
  • 花王ビオレのように、“商品×売場演出”を組み合わせた仕立てが鍵になってきている

まとめ:涼感は「売場全体のテーマ」へ

涼味にとどまらず、コスメ・衣料まで広がった「涼のシズル感」。

これは単なるトレンドではなく、生活者の「夏をどう快適に乗り切るか」という根本ニーズに応えるテーマだと感じます。

私たちも皆さまと一緒に、こうした変化を取り入れながら「涼をどう売場全体で演出するか」を考えていければと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

※売り場の写真は許可を得たものではありません、ご迷惑になるようでしたら削除いたしますので、大変お手数をおかけしますがご連絡くださいませ。