2025年8月26日

コンビニの「うちだけ商品」が示す売場の未来

こんにちは。いつもこのブログに目を留めていただきありがとうございます。

今日は日経MJ(8月24日付)で紹介されていた「コンビニのうちだけ商品」を切り口に、売場づくりのこれからについて考えてみたいと思います。

この夏の売場から見えてきたのは、単なる「安さ」ではお客さまの心をつかみにくいという兆しです。生活者が足を運びたくなる“理由”をどう作り出すか。そのヒントが「うちだけ商品」にあるように感じます。

背景にある消費環境の変化

物価高が続く中で、生活者は節約を意識しながらも、「せっかくなら少し特別なものを」という気持ちも大切にしているように見えます。

さらに少子化や人口減少が進む中で、来店客数そのものが減っていく現実も避けられません。そのなかで小売業にとっては、「どうやって他社では手に入らない魅力を提示するか」が大きな課題になってきました。

変化の観察 ― 「目的来店性」を高める工夫

記事では各コンビニの取り組みが紹介されていました。

  • セブンイレブン
    店内でつくる「できたてスムージー」を本格展開。セブンカフェと同じ豆を使ったカフェラテスムージーなど、つくりたて需要を捉えて客を呼び込んでいます。
    セブンカフェスムージー

  • ローソン
    「冷凍マフィン」を導入。レンジ解凍というひと手間がありながらも、冷凍ストック需要に応える提案です。からあげクンなど店内調理のイメージが強いローソンですが、冷凍食品需要の高まりを取り込みにいく姿勢が見えてきます。
    冷凍調理パンの本格展開開始

  • ファミリーマート
    独自ブランド「コンビニエンスウェア」の展開を広げ、6月下旬に発売したサングラスは3週間で完売。日常雑貨の分野でも“ここだけで買える”体験を提供しています。
    コンビニエンスウェア ブランドページ

こうした事例から見えてくるのは、「日常にプラスアルファの特別感を持たせる」工夫が来店動機をつくっている、ということではないでしょうか。

他業態にも広がる兆し

この流れはコンビニだけに留まらないように感じます。

たとえばディスカウントストアのトライアルでは「おいしいバナナ」という商品を展開していました。「一度食べたらもう戻れないかも」というコピーが掲げられ、製菓売り場にものぼりを立てて展開。値上げの中で“おいしくないバナナ”が並ぶ店頭にあって、とてもキャッチーで私自身も思わず手に取り、美味しくいただきました。

つまり他社競合からお客さまを奪うためには、「ここにしかない体験」をしっかり売り込むことが大切なのだと実感します。

まとめ ― 「安さ」だけでは届かない時代に

安さや便利さだけでは来店動機になりにくい時代。

これからの売場づくりでは、“なぜ必要か”を伝えられる独自のアイテムやストーリーが成果の鍵になりそうです。

私たちも皆さまと一緒に、こうした「目的来店性」を高める仕掛けを考え、広げていければと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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